平成22年10月27日 (水)
懇意にしている税理士の先生から、
取締役を退任するのに退職慰労金の金額が折り合わないので困っているとの相談を受けました。
代表取締役が3分の2以上の株式を保有しているので、
辞任でなく解任決議で処理したらいかがですかと答えたところ、
解任の場合は任期満了までの報酬を支払う必要があるとの返事でした。
その役員の任期は現在10年とのことでした。
しかし、
役員の任期は定款の記載事項ですから、
株主総会により変更できます。
従って、
10年の任期を2年まで短縮することができます。
任期を2年にすると残りの存続期間はわずか4カ月だけでした。
そこで、会社側は辞任のハンコを押さない取締役に、
上記の退任決議と任期を2年に短縮するとのプレッシャーをかけて、
辞任を迫ることができますので、
この方法で交渉したら如何ですかと税理士先生に説明しました。
これを実行したところ、
見事に的中しました。
会社の提示した退職金で辞任届をしたのです。
メデタ シ!メデタシ!!
ところで、
取締役会及び監査役設置機関の場合は、
辞任した取締役の欠員を補充しないで、
2名のままにしておくと、
「取締役の辞任」は認められませんので注意して下さい。
取締役会は法律上最低3名以上必要ですので、
2名になると法律に違反するからです。
従って、
辞任した取締役は辞任の登記ができず、
3名以上になるまで従来通り職務を継続する義務を負うことになります。
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行政書士法人 所長 菅原賢司