賃借権の対抗力について

2015年4月24日(金)


有働です。


今回は、クライアント企業の方からご質問をいただいた、不動産賃借権の対抗力について簡単に説明したいと思います。

不動産の賃貸借について、これを登記すること自体は可能です。 しかし、通常の賃貸借の場合、地主さんや大家さんには借地権を登記する義務がありません。借主が「借地権や借家権を登記してください」と請求しても、地主さん・大家さんは協力する必要はないのです。


ところが、借地権・借家権がまったく登記できないとなると、困った問題が発生する可能性があります


地主さん・大家さんがその不動産に抵当権を設定し、これが実行されてしまった場合です。この場合、
競売で落札した人から「今すぐ出て行け」と言われるかもしれません

生活の拠点、又は事業の拠点を失う借主にとって、これはとても深刻な問題です。従って、借地権や借家権を登記してもらえない場合でも、土地や建物を借りている人を保護する必要があります。


ここで、借地借家法の出番となります。

まず、土地を借りている場合で、土地の上に建物を所有している場合、その建物は自分の物ですから単独でも登記することは可能です。そこで、「その建物を登記」している場合は、土地の賃貸借について前述の落札者などに対抗することが認められているのです。


次に、建物を借りている場合です。この場合は
「建物の引き渡し」 つまり入居の事実があればその建物の賃貸借について第三者に対抗することができます。建物を借りている場合は土地も自分の物ではないでしょうから、どちらも登記することはできません。少なくとも大家さんの協力が必要ですが、現実的にはそのような協力は得られないでしょう。このため、「引き渡し」さえあれば賃借権を対抗出来るということになっているのです。


このように、「第三者に対抗できる」ようになると、土地や建物を借りている人は安心してそこで生活や事業を行う事が出来ます。

 

有働